アクションカメラの熱暴走問題
アクションカメラは小型軽量で様々なシーンで使うことができてエンタメ性の高いカメラではあるものの、どのアクションカメラでも共通の悩み要素として「熱暴走」「熱停止」と呼ばれている現象があります。本体の温度が上昇し、熱による本体ダメージを保護するために撮影が強制停止するんですよね。アクションカメラで有名なGoPro。最新版のGoPro12も相変わらず実測15〜20分で撮影が停止します。(もちろん4Kで熱停止しない隠れ優秀な小型カメラも存在します。本当に超少数ですが。)さてどのようにな対策をすると良いのかそのヒントとなる対策を7つご紹介します。
1.アルミヒートシンク

定番中の定番がこちらです。アクションカメラ本体に直接貼り付け、熱の逃げる面積を拡大し熱を逃がしやすくします。
2.放熱シート

手でちぎれるほどの薄くて柔らかい素材です。小さく切って細かい場所や曲面にも貼り付けれるため幅広く使えます。SONYアクションカメラのセンサー付近にも使用されています。
3.銅ヒートシンク、銅シート

M12camera管理人は好んで愛用しているのがこちら。アルミよりも熱伝導率が高い素材である「銅」のヒートシンクです。ただし手の油脂やわずかな水分で錆びてしまいますので手が触れない場所への使用がおすすめです。10円玉でも代用できます。
4.USBファン

いわゆる空冷です。風を送り熱を逃します。作動中は「ビューーーン」という音をマイクが拾ってしまうのが難点です。アルミヒートシンクや銅ヒートシンクなど他の素材との組み合わせが特に効果的です。スマホ用を流用して良いと思います。ペルチェ素子というひんやり素材を介したものもあります。サイズは大小さまざまでUSBモバイルバッテリーでも作動します。
5.熱くなってきたらバッテリー交換する

これが一番てっとり早い方法だったりします。カメラセンサーから発生した熱は熱を吸収しやすいバッテリー側へ熱が移動します。バッテリー自体からは発熱しません。熱がバッテリー側へ移動したら予備のバッテリーに交換します。そうすると新たに入れたバッテリーが再び熱を吸収するまで撮影できます。これが一番楽ちんな方法です
6.本体設定のビットレートを下げる
本体の設定を変更する方法です。主に、①解像度 ②フレームレート ③ビットレート の3つがあります。
解像度やフレームレートの変更はどんなアクションカメラにも付いています。なるべく長時間連続撮影するなら4K30FPSや2.7K60FPSへ変更することをおすすめします。
また一部のアクションカメラではビットレート変更できるものがあります。一般的には画質が良い=4K解像度という認識だと思いますが、厳密にはメーカーもほぼ公開しないビットレートがいかに高いかによって高画質になってきます。例えば1万円未満の安いアクションカメラは4Kで熱停止しないけどビットレートが低すぎて画質が荒いものだってあります(擬似4Kとか呼ばれています)。GoProであれば8あたりからビットレート変更できるようになっているので試して見てはいかがでしょうか。
まとめ 防水アクションカメラは熱暴走する運命
防水性能のあるアクションカメラは熱停止から逃れられない運命です。なぜかというと熱を放熱しにくいからです。GpProのような知名度(広告)に押されて注目されていなけど防水性能のない長時間高画質で連続撮影のできるアクションカメラも存在します。
また、撮影している本体を持っていると熱い=危ない! と思ってしまうこともあるかもしれませんが、手に持てないほどでなければ放熱に優れていると正しい認識を持ちたいですね。
EX) CPUヒートパイプ

ここからはエンタメ的なネタとなります。アクションカメラのコンパクトさを犠牲にしてでもとにかく熱を逃すために尽力するとこちらをつけます。こちらはPC用パーツで、PCで最も発熱するCPUの熱を逃すためのものです。伝導率の高い銅を媒体として空冷ファンで熱を外へ逃します。接地面にわずかにCPU専用グリスを塗り効果を高めることができます。アクションカメラ本体よりも大型です。
EX)水冷キット
PCやスマホ用の水冷キットも流用できそうです。水冷といってもカメラに直接水が接するのではなく車やバイクのエンジン熱を冷やすラジエターと同じ仕組みです。カメラ接地面から熱を吸収し水を循環させてファンや外気で冷やす方法です。問題はカメラ本体の10倍ぐらい大きな装置になるため全く現実的ではないですね。名作ゲーム「クロノトリガー」に出てくるラスボス第二形態を連想してしまいます、、、カメラというよりパイプの化け物ですね。
【NG】熱さまシート/冷ピタ
冷却効果はあります。ただし秒で終わります。
【NG】バッテリーのセパレート化
アクションカメラで熱暴走したら熱があるなと感じられるのがバッテリーですよね。だからバッテリーレスまたはバッテリーと本体をハンダなどで切り離してしてしまえば熱暴走対策になるのでは?とおもいきや、実はバッテリー自体は発熱しないのです。アクションカメラの場合センサーの熱が本体へ伝わりその先にバッテリーがありそこへ熱が逃げているのです。なのでもしバッテリーを切り離してしまうと逆に熱の逃げる先が狭くなり通常よりも早く熱暴走してしまいます。GoProではバッテリーを抜いて蓋を開けてUSBケーブル電源で熱対策する方法もありますね。バッテリーの蓋を開けておけば熱が逃げる面積を広くできるため少〜〜しだけ撮影時間を伸ばせます。
【NG】保冷剤、冷却スプレー、冷蔵庫
絶対ダメです。ありえません。ゲームしてたスマホやプレステ本体が熱いからといって冷蔵庫に入れると故障してしまうくらいダメです。真冬の凍結した窓に熱湯をかけるとガラスが割れてしまうのと同じくらい絶対ダメです。数万円するカメラを冷却して故障させてみたという実験系YouTuberなら別ですが・・・。
熱暴走その先は何が起こるのか!?
手に持てないほど熱暴走しても停止しないカメラも実は存在します。ただその場合カメラのセンサーが狂ってしまい、映像が緑や黄色が強調された変な色になります。(ゴッホの絵画のような・・・)
おサイフ事情を度外視するなら2台持ち、3台持ちが最も故障リスクも少なく済みますね。・・・という身も蓋もない話はしませんが、当店では4K動画でも長時間連続撮影可能な小型カメラを厳選して取り扱っています。高画質4K小型カメラに出会えずずっと途方もなく彷徨っていらっしゃればきっとお役に立てることでしょう。
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